安心で安全な入浴をサポートしてくれる「手すり」ですが、必要な位置に必要な数がなければ意味がありません
「手すり」が本当に必要な方にとっては、それは大きな問題であり課題でもあります
その「手すり」について、元ユニットバス施工業者の目線からお話ししていきたいと思います
この記事では浴室の手すりについて解説、オススメの取り付け位置、後付けの手すりについて紹介していきます
これからユニットバスを購入予定の方、既にユニットバスを購入使用されていて、手すりに関して問題を抱えている方達に向けた内容も含まれておりますので、ぜひ最後までお付き合いください
それではスタート
目次
まずは手すりの種類を知る

手すりという名称以外にも、一般的な名称としては握りバーとよく言われています
それ以外の名称としては、インテリア・バー(TOTO)、ハンドバー(タカラ)などもあります
ユニットバスに取り付けする手すりの主な形といえば、ローマ字に例えたI型とL型になります
キッチンの形を例える場合と同じで、分かりやすく伝えやすい文字で例えているのでしょう
I型は文字通り真っ直ぐな形状
縦にも横に使用する事が出来る万能型で、斜めに取り付けするというケースもあります
一番多く使用されている手すりなので、皆さんもよくご存知でしょう
長さは短い物で40cm、中間の長さで60cm、長い物で80cm位が一般的です
L型は1本あれば2本分
I型手すり2本分の役割を一本で果たす事ができる優れものです
L型の手すりの場合、上下逆さまに取り付ける事はほぼありません(絶対とは言えません)左右を反転して取り付ける事が一般的です
長さがどちらも同じ60cm×60cm位の物や、片側だけが長い60cm×40cm位の物があります
長さが違う物の場合は、使用状況に合わせて長手方向を縦にも横にも使用する事が可能です

手すりのカラーや材質、握った感じは?
カラーはホワイト系、メタルが多くのメーカーで採用されていますが、黒や茶色、ベージュなどを選べるメーカーもあります
材質としては金属系と樹脂を使用、表面は樹脂でコーティングしているような作りで、水に強い作りになっております
握りやすく滑りにくい形状となっていて、手の小さい方でも特に困ることは無いでしょう
またクリナップのアクリアバスの手すりは、他とは違ったかまぼこ型となっています
丸型の場合は握り込まなければなりませんが、かまぼこ型の場合は軽い力で握る事が出来る為、手の力が弱い方などにも優しい作りとなっています
手すりと兼用できるスライドバーがある

シャワーを使用する際に使うスライドバーを、手すりとしても使用することが出来るものです
浴槽と洗い場の間が取り付け位置となるので、洗い場から浴槽、浴槽から洗い場へと高さの変わる出入りをサポートしてくれるので安全安心な装備となります
スライドバーとしての機能は、シャワーヘッドを好きな高さにスライド調整出来るので、自分のベストな位置でシャワーを使用することが可能となります
オススメのオプションなので、選択できる場合は検討してみてはいかがでしょうか
オススメ!メリットがある手すりの取り付け位置
手すりのオススメ取り付け位置を紹介したいと思います
例として、浴室を上からみた図を載せたので参考にして下さい

赤色がI型手すり・黒色がL型手すり・緑色がスライドバー兼用手すり
<ドアの位置や窓の位置によっては取り付けられる位置は変わります>
ドアを開けてすぐ握れる場所への取り付け
浴室と脱衣場の出入りの際に役立つ手すりで、タオル掛けとしても使用可能です
ただし開き戸や折戸の場合は取り付け出来ない場合もあるので注意しましょう
この位置に手すりが欲しい方は、引き戸を選択することをオススメします
洗い場のカウンター横に取り付け
座った状態から立ち上がる時、座る時に非常に役立ちます
それ以外にもタオル掛けとしても使用可能です
洗い場と浴槽の間に取り付け
先程お話しした、スライドバーと同じ位の位置に取り付ける事で、浴槽と洗い場の出入りに使用する事が出来ます
この位置にL型の手すりを浴槽側に向けて取り付ける事も可能で、浴槽内の不安も解消してくれる位置です
背もたれ側に取り付ける場合には、風呂フタなどと干渉する場合がありますので注意
浴槽の上(浴槽長手方向)に取り付け
浴槽に座ったり立ったりする時に役立ちます
この位置は誰でも使える位置ですし、手すりを使用する事で、浴槽内の転倒を防ぐ事にもなります
注意点として事前に手すりの取り付け位置の確認、決定をしておきましょう
手すりの位置を気にされる方は、ショールームなどで確認する事が出来るので、実物で確認しておくことをオススメします
また細かい希望が無い場合は、標準取り付け位置や推奨取り付け位置に取り付けしておけば、ほとんどの方には問題なく使用していただけると思います
知っておきたい手すりの取り付け方法

手すりの取り付け加工というのは現場にて行います
ユニットバスの壁に、手すりを固定をする為のボルト穴を開けて、壁裏にボルトを受ける為の補強材を入れます
手すりの取り付け位置は、ユニットバスの施工前に決めて欲しいとお願いするのですが、その理由は壁裏に入れる補強材が後からでは入れることが難しいからです
壁裏が広ければいいのですが、ほとんどの住宅は壁裏に人が入れるだけのスペースはありませんからね
当日までに手すりの位置を決定出来ない場合は、当日の現場でも確認、決定する事が出来るので、必ず事前に連絡だけはしておき、午前中の早い時間に現場まで足を運びましょう
今からでも可能!後付けの手すりを取り付け
既にユニットバスを使用されている方でも、手すりが必要になったり、追加したい方はいらっしゃると思います
その場合には後付けの手すりを使用することで、問題の解消が出来る可能性があります
これは壁裏に入る事なく取り付けが可能な商品で、ユニットバス内部から穴加工をして、壁裏に補強金具を仕込む事ができます
ただし金具を内部から仕込む為には少し大きめの穴を開ける必要があり、穴を隠す為に壁面に少し大きなカバーが取り付く場合があります
しかしデザインよりも使い勝手が重要な手すりなので、その辺はあまり気にされないほうがいいでしょう
工事自体は短時間で終わりますので、ケガや事故が起こる前に、早めにメーカー、工務店さんなどにご相談をしてみてはいかがでしょうか
メーカー、機種などにもよりますが、古いユニットバスで壁の強度が落ちている可能性がある場合などは、取り付けが出来ない可能性もあります
まとめ
現時点では手すりが必要でない方も、10年後を想定し取り付けしておく事も間違った選択ではありません
使用環境、家族構成なども含めて慎重に検討されてみてはいかがでしょうか
取り付け、取り付け位置などに関しては、各メーカーによって若干の違いがありますので、よく確認してもらう事が必要となります
風呂フタやドアに干渉する以外にも、壁裏にある部材等に干渉して取り付け出来ない場合もあります
あまり目立たないアイテムの一つですが、入浴時のケガや事故、体への負担を軽減する事が出来るので、重要アイテムとして考えてみるのがいいでしょう
ご覧頂きありがとうございます
この記事を参考にして頂けたら幸いです
それでは素敵なバスライフを